学長からのメッセージ

学長の抱負
函館大学は昭和40年に創立されて以来40年以上にわたり、これまで一貫して学園訓三か条である「報恩感謝」「常識涵養」「実践躬行」を信条として知・情・意の高度に発達し、バランスのとれた、社会に有用な職業人の育成を図ってきました。
本学は現在、商学部に商学科と英語国際ビジネス学科の2学科を設置し、商学科には専攻塾とゼミナールコース、英語国際ビジネス学科には英語コースと国際ビジネスコースをおいていますが、平成22年度より商学科に統合し、新しい教育システムを導入します。商学科の中に企業経営コース、市場創造コース、英語国際コースの3コースを設置し、商学の基本を学び、その魅力と面白さを感じてもらうようにします。英語国際コースはこれまでの英語国際ビジネス学科の教育を継承し、引き続き、姉妹校への留学制度、英語の教職課程(高校、中学)を維持するなど英語に重点を置いた教育を続けていきます。3コースとも新しい科目として1年生から3年生前期まで「商学実習」を設けました。地元の特徴を活かし、観光や食などの分野を中心にイベント企画、市場調査、分析などを行い、その成果を発表して地域社会へのさまざまな提案に結び付けていきたいと考えています。その学習の中で、商学が実際に現場でどのように活用され、役に立っているかを体験してもらいます。教育の質の向上とともに地域社会とのかかわりを持つことによって地域への貢献も行っていきたいと考えています。4年間の教育で、優れた人間性、専門知識、スキル、問題発見・解決能力を持った人材の養成を目指しています。
さらに、社会貢献では産学官連携をとおして、地域社会への貢献をするとともに、教育・研究へ活かす努力をしていきます。特に、函館の8高等教育機関が連携した「キャンパス・コンソーシアム函館」を充実・発展させ、教育・研究面での一層の協力を進め、本学の教育の向上と地域の発展に貢献できるよう努めていきます。
平成19年度には日本高等評価機構から大学機関別認証評価をうけ、同機構の定める大学評価基準を満たしているとの認証を受けました。引き続き、改善を進め、学生にとっても、地域にとっても、より良い大学にしていきたいと思っています。
今後も、教育と研究そして社会貢献を柱として社会の要請に応え、大学の存在感を高める努力をしていきます。
建学の精神
本学の建学の精神は、学園訓3か条(報恩感謝、常識涵養、実践躬行)を具体的信条として知・情・意を高度に、かつ円満に発達させる真の学問追究をすることです。
本学は、昭和40年に創立以来、この建学の精神に基づいて、学生一人ひとりの知・情・意を偏りなく、調和を保ち、高等学校卒業までに培ってきた人格をより一層高等な精神作用にまで高めることに真の学問追究があるとして歩みを重ねてきました。表現を変えますと、学問の追究により、本学園訓3か条の終極的発展として、知・情・意の総合的に体得した真の人間を育てることにあるとして、約40年の足跡を残してきたと言えます。
また、建学の精神を唱えた創立者は、これを日常の教育研究等に具現するには、教職員が真に教化された人でなければならないとして研究と修養を求めています。したがって、教職員は、常に学生と共に学び、問い、養い、践み、識り、感じ、謝し、恩を思う人であるはずであると説いています。教職員は、このことを自らの陶冶の灯火として自覚し、絶えず、研鑽に努めてきています。
学園訓三カ条
- 報恩感謝(ほうおんかんしゃ)明るく思いやりに富む情操
- 常識涵養(じょうしきかんよう)国際感覚に富む教養と健全な判断力、商学に関する専門知識
- 実践躬行(じっせんきゅうこう)行動力に満ちた自立性
使命と目的
これは、建学の精神と学校教育法第52条(昭和22年)に基づいて作成された本学の学則第1条(昭和40年)に表現されています。
学則第1条は「函館大学は、北海道道南の学術の中心として広く知識を授けると共に、商業および経済に関する高度の学芸を教授し、北海道開発および産業の興隆並びに文化の発展に役立つ専門的職業教育を施すことを目的とし、知・情・意の高度にして円満な人格の持主としての職業人を養成することを使命とする」です。
教学の面では、大学の商学部として、商業及び経済に関する高度の学芸を教授する専門的職業教育と建学の精神を具現化した知・情・意の高度にして円満な人格の持主としての職業人の養成を目指しています。商業及び経済に関する専門性と円満で高度な人間性を持つ職業人の養成を研究と教育の両機能を高度にするなかで進めるものです。
経営の面では、北海道道南の学術の中心となって、北海道の開発及び産業の興隆並びに文化の発展に役立つことを目指しています。これは、本学が立地する函館市を核とする道南を拠点として、同心円的に北海道の道央、道北、道東に広がりを持つものであり、併せて、東北から関東、関西等への広がりも視野に入れているものです。
地方の大学として、独自の使命を自覚し、地域と共に歩む学術の府であることに存在の意義があることを表現しています。
したがって教育における人材養成はもとより、研究における地域の産官との連携、地域振興、発展への教育、研究上の貢献を緊要な課題として、鋭意、創意工夫を重ねています。
教育目標(育成するべき人間像)
本学が目指す知・情・意の高度にして円満な人格を持つ職業人とは、具体的にどんな姿か。本学は、この具体相を卒業後に業界で活躍する職業人をイメージにして、次のように作成するとともに、日常の教育活動で着実に育成する人間像としています。
この具体相は、地域社会はもとより社会全体において、次の2つの期待に応えることになります。
- 地域社会等においては、新たな知の創造、継承、活用が発展の基盤になります。そのため、国際感覚、経営感覚、情報感覚、健全な判断力、創造力、行動力に満ちた自立性に富む卓越した指導的人材の養成、確保が必要になります。
- 地域社会等においては、専攻分野についての専門性を有するとともに、明るく、思いやりに富む情操、幅広い教養を身に付け、時代の変化にあわせて積極的に社会を支え、あるいは社会を改善していく資質を有する人材の養成が必要になります。
個性、特色
- <基本>
- 本学は、地方の商学部単置の大学としての個性、特色を持っています。また、本学では、社会から見えるよう透明性が高く、開かれた大学づくりに努め、社会からあつく信頼される大学になるよう様々な創意工夫を重ねています。
- <個性>
- 本学は、主として幅広い職業人養成、社会貢献機能(地域貢献・高大連携・商学官連携等)に機能を置いています。このことを個性の中心にします。また、地域の生活学習機会の拠点にも一部、機能を置いて、個性にふくらみを持つようにしています。
- <特色>
- 本学は、個性との関連で特色を明確にしています。このため、少人数教育の徹底、体系的なカリキュラムの提供、体験型学修の実施が必要であると考え、教育システムに工夫をしています。同時にキャリア開発センター、教職教育センターで職業自立を支援する場を充実し、それぞれが特色を出しながら実践を重ねています。
なお、教育組織は、次の通りです。
※参考 キーワード達成のために
[人間性]を涵養するためには、学生と教員がフェース・トゥ・フェースのコミュニケーションを頻繁に持ち、日常的なことから人生観までさまざまなテーマで語り合うことが必要になる。また、学修のみならず調査・研究からレクリェーションまで体験を共有することも大きな意義がある。こうした中から、感謝の精神、謙虚、社交性等が身についてくものである。
[専門知識]を修得するためには、単に知識を提供するのではなく、その科目の位置づけや社会の中での意味を知ること、知識を活用する場面を理解させる必要がある。基礎から応用へ、理論から実践へ、コアから周辺へと一つの分野の中で知識を深めていくためにも体系的に学ぶことが重要である。
[スキル]の体得は、多くの演習を繰り返し、ステップ・バイ・ステップの学修を進める必要がある。外国語、情報処理、会計などのスキルは、学生自身が課題をこなしながら、つまずいたところで指導を受ける ことにより一層効果的に身についていくものである。
[問題発見・解決能力]を養成するためには、実践的な課題に数多く触れることが必要であり、地域・企業とも連携しながら教員や学生同士、あるいは市民と議論を重ねながらインタラクティブな授業を展開す ることが重要である。行動力に満ちた自立性は、実践的な場面での体験を通して、自ら好奇心を持って考え、前向きに解決に望む意志を持つことで身についていくものである。
※参考 教育組織について
(平成22年度入学生から学科構成が変更になります)
- <商学科 専攻塾>
- 専攻塾の教育の特色は、体系を重視するところにあります。4年間、同じ教員が一貫して指導を行なうことにより、それぞれの専攻塾のテーマに沿った学修を学生の進度に応じて進めることが可能になります。また、ひとりひとりの学生との対話を重視し、その状況に応じた指導を行なう点にも特色があります。初年時には、学修の方法や大学のメンバーとしての自覚などの指導も行います。上級年次では、グループに分かれての調査・研究などを通して社会との連携も図り、実践的な問題にも取り組んでいきます。これらを通して、地域・社会との連携をとりながら自律した職業人に向けての資質の向上を図ることを目指しているのです。
- <商学科 ゼミナール>
- ゼミナールは、学生が関心を持つ分野について、学生自らが問題意識を持って学び、議論し、研究する場です。何が問題なのか、その問題にはどのような学問・知識がかかわるのか、どのような展開が考えられるのかといったことを深く議論しながら学修を進めるところに特色があります。とはいえ、入学時以前から問題意識を持っている学生は多くないので、1年次には教養ゼミナールとして、大学での学修・生活などの指導とともに広く社会、経済、地域の問題について考えてもらい、2年次以降主体的に学習を進めるための指針を得させることとしています。また、少人数で開講されるゼミナールは、授業内外を通じて教員・学生同士の人間的なふれあい、語り合いの機会も多く持つことができます。これらを通して、創造性豊かな職業人に向けて、自立性と行動力を育む教育を目指しているのです。
- <英語国際ビジネス学科>
- 英語国際ビジネス学科は、英語を中心にコミュニケーション能力を高めると同時に、ビジネスシーンにおいてそれを活用するための専門知識を獲得するところに特色があります。1年次からTOEIC、実用英語検定等の資格を目指す授業を展開し、ネイティブの教員とのコミュニケーション機会を多く設定するなどスキルの向上に多くの時間をあてています。一方で、他国の文化や歴史に対する理解を深め、海外とのかかわり方を考える授業を展開するとともに海外留学による体験的な学修を促している。また、ゼミナールも設けて実践的な問題発見・解決にも取り組みます。少人数の学科であり、アットホームな雰囲気の中で学習が進められます。これらを通して、豊かな国際感覚を持った職業人、グローバル化する社会に積極的に貢献できる人材を育てることを目指しています。さらに、キャリア開発センターや教職教育センターの活動にも特色があります。
また、個性との関連で、社会貢献に努め、主として産学官連携、高大連携、開かれた大学の3つの分野を中心に、本学の知的資源や研究成果を発信しています。
産学官連携では、地域企業・行政、研究機関と共同で地域開発、産業振興を目的に活動を展開しています。クリエイティブネットワークや函館アカデミックフォーラムを通じて、本学の研究を外部に紹介し企業や行政との協力の機会を提供しています。街づくりフォーラムや地域のイベントへの協力、各種審議会委員の引き受けを通して、地域の発展に対して直接的な貢献を期しています。
また、平成17年7月7日に学内に産学官連携研究センターが発足し、6つの研究プロジェクトが各テーマを持ち、研究活動に着手しています。特に、平成17年度から3年間、函館雇用創造促進協議会の構成団体の一つとなり、地域の若手企業人を対象として「函館・精鋭塾」をスタートさせました。
高大連携では、地域の高校生や教員に対して講座などを通して、学修支援・能力開発を目的に活動を展開します。連携校(7高等学校)の生徒に対しては、実用英語検定、簿記などの資格取得や学修の方法や意義、職業選択を含む進路の考え方などの講座を提供し、学習活動を支援しています。連携高などの地域の教員に対しては、カウンセリングの方法や資格取得の方法などを中心に研修会に協力し能力開発を支援しています。地域の高校生向けには、公開講座として人生や進路について深く考える契機となるような講演会を開催し、学術的な体験の機会を提供しています。
開かれた大学は、設備や教育・研究資源を地域住民に還元することを目的としています。図書館や体育施設を提供し、活用してもらうとともに、聴講生や科目等履修生、小学校英語指導者育成の機会の設定、公開講座の開講など研究成果を地域にも提供しています。
また、平成18年度から放送大学との連携により、単位互換をはじめ函館市と一体化して放送大学函館学習室を図書館内に設置し、地域の放送大学登録学生の再視聴や図書館の文献利用などが出来るよう、条件整備をしました。さらに、海外5ヵ国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、中華人民共和国、大韓民国)に姉妹校9大学と交流協定を締結し、学生の交流、教員の交換交流、研究交流等に成果を上げています。 特に平成16年度から始めたイギリスのウォルバーハンプトン大学への語学研修(夏期休業中の4週間程度、学生を派遣する)や平成18年度からの中華人民共和国の南開大学浜海学院との教員交換交流については、具体的な成果を残しています。国際的視野を培いながら、地域での産学官連携、高大連携教育等の充実に向けて特色を鮮明にするよう努めているのです。
函館市内の8高等教育機関(函館大学、公立はこだて未来大学、北海道教育大学函館校、北海道大学水産学部、函館短期大学、函館大谷短期大学、函館工業高等専門学校、ロシア極東国立総合大学函館校)で構成されている「キャンパス・コンソーシアム函館」の8校の間で単位互換協定が調印され平成21年度から学生が相互に科目を履修し、単位をとることができるようになりました。


